ラブバードとは
ラブバードとは、社会性が高く、非常に愛情深い9種類のインコの呼称です。
このページではその中の、コザクラインコとボタンインコについて説明しています。
コザクラインコ
- オウム目インコ科ボタンインコ属
- 体長:15cm前後
- 体重:55g前後
- 寿命:10年~15年程
コザクラインコは、元々はアフリカのインコです。
品種改良され、今では様々な品種がありますが、原種は額が真っ赤で、額の下から首にかけてはピンク色、体の大部分は緑色で、背中には鮮やかな青色の羽が生えています。
「ラブバード」と呼称される程愛情深いインコで、雛から育てた場合は勿論、成鳥でも愛情を持って育てればきちんとそれに応えてくれます。
その分自己主張も激しく、好きな相手には甘えてきたりカキカキをおねだりしたりする一方、嫌いな相手にはとても攻撃的で、血が出るほど強く噛み付いたりします。
鳴き声も大きく、噛む力も強いので、雛のうちからしっかり教えてあげないと、大人になった時に様々な問題行動を起こす問題児になってしまう可能性もあります。
コザクラインコの鳴き声はどのくらい?
コザクラインコの鳴き声は甲高くてとても大きいです。
ペット不可のアパートやマンションでは飼えないと思ったほうがいいでしょう。
お喋りは得意ではありませんが、口笛等の音を真似する子はいるそうです。
鳴き声の大きさが気になる方は下記の動画でチェックしてみて下さい。
コザクラインコの値段は?
コザクラインコの相場は7,000円~16,000円です。
品種や年齢・地域等によって値段は変わってきます。
ボタンインコ
- オウム目インコ科ボタンインコ属
- 体長:13cm前後
- 体重:47g前後
- 寿命:10年~15年程
ボタンインコは、元々アフリカのインコです。
品種改良され、今では様々な品種がありますが、原種は嘴が真っ赤で、顔は暗めの茶色、胴体は黄色と緑色です。
(※イラストはコバルトブルーという品種です。)
名前の由来となっている、目の周りを囲った白いアイリングがあるのも大きな特徴の1つです。
ボタンインコは臆病で神経質な性格の子が多いと言われていますが、とても愛情深いインコです。
愛情を持って接していれば、次第に人懐っこくなっていくでしょう。
ボタンインコの鳴き声はどのくらい?
ボタンインコの鳴き声はコザクラインコと同じく、甲高くてとても大きいです。
ペット不可のアパートやマンションでは飼えないと思ったほうがいいでしょう。
お喋りは苦手で、「ピリリリ」と鳴く事が多いです。
下記動画でチェック出来ます。
ボタンインコの値段は?
ボタンインコの相場は8,000円~13,000円です。
品種や年齢・地域等によって値段は変わってきます。
ショップ以外でラブバードを購入する方法
ブリーダーさんから直接購入する方法や、認定NPO法人TSUBASAで保護鳥の里親になるといった方法もあります。
お迎えしたいラブバードを探す際は、購入後のアフターフォロー等も考慮しましょう。
ラブバードを育てていくには
ラブバードを育てていく為には、まずお迎え前に環境作り、その後は食事・運動等様々な準備が必要です。
また、雛から育てる場合は挿し餌に関する知識、あげる時間の確保等も必要になります。
お迎え前に最低限必要なもの
ケージの素材はメッキとステンレスがあります。
ステンレスはメッキの3倍くらいのお値段ですが、安全性も高く長持ちするのでおすすめです。
サイズに関しては、小さいと窮屈でストレスがたまってしまうので、ラブバードの場合は大体1辺が40cm程度はあるものを準備して下さい。Hoeiの35手のりが代表的です。
HOEI35手のり ステンレス | ||||
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Hoei35手のり 銀色メッキ | ||||
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止まり木は出来るだけ自然木に近い形のものを準備しましょう。
そのほうが足の運動にもなります。
保温器具は様々なアイテムがありますが、ケージの中に設置する場合は愛鳥が火傷しないよう注意して下さい。
サーモスタットという温度を一定に保つ器具があると便利です。
アサヒ 電子サーモスタット | ||||
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ケージカバーは夜、眠らせる時にかけて真っ暗にしてあげましょう。
昼夜をしっかり感じる事で、発情防止にも繋がります。
HOEI35手のり用 ケージカバー | ||||
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お掃除は毎日!
ケージの中が不潔だと愛鳥が病気になってしまいます。
お掃除は毎日するようにしましょう。
- 玩具・止まり木を洗って消毒し、取り替える
- ケージ全体を丸洗いして消毒する
洗い方や消毒方法に関しては使用しているケージや玩具に合わせて臨機応変に対応して下さい。
ただ、除菌ウェットティッシュは絶対に使わないでください。
除菌ウェットティッシュに含まれている成分を愛鳥が舐めてしまうと落鳥してしまう可能性があります。
「100均で売られている、『除菌ティッシュ』をケージの止まり木や、鳥部屋での掃除(フンをふき取るなど)に使われている飼い主さんが飼っている鳥さんたちが肝臓がパンパンになっているケースが見受けられる」とのことです。もし、処置が遅ければ早くて3日ほどで亡くなってしまうことがあるそうです。
除菌ティッシュで鳥さんに健康被害!?(のんちゃんおはよう♪~PBFD闘病記~)より
熱湯や日干しでの消毒を行い、洗剤等何が素材かわからないものは使わないほうがいいでしょう。
ごはんは何をあげればいいの?
主食については大きく分けて2つ、シードとペレットがあります。
シード(種子混合餌)
ラブバード用のシードは主に アワ、ヒエ、キビ、カナリーシードがブレンドされているものがバランスのいい組み合わせです。
シードは自然のものに近く、ラブバードも好んで食べます。
殻つきのものが剥く事自体も楽しめ、栄養価も高いです。
しかし、タンパク質が不足しがちだったり、好きな実ばかり食す愛鳥もいるので栄養面が偏りやすいというデメリットがあります。
シードはラブバード用のものでも、必要な栄養が全て含まれているわけではありません。
シードを主食として与える場合は副食や野菜等で足りない栄養素を補いましょう。
ペレット(完全栄養食)
インコに必要な栄養を考えて作られた完全栄養食です。色がついているもの等たくさんの種類があります。
ペレットを主食としてあげる場合は、栄養素の面では特にこれ以外あげる必要はありません。
ただ、食べる楽しみが減ってしまったり、初めて食べる場合はなかなか食べない愛鳥もいます。
シードから切り替える場合は小さくしたものを元の餌に混ぜたりしながら少しずつペレットに切り替えていきましょう。
ペレットは外国産のものが多く、突然廃盤になる事があります。
成鳥になってから新しいペレットを与えても食べない場合が多いので、常に何種類か食べられるように与えておきましょう。
ラブバードに適した温度・湿度の設定を
湿度は50%~60%が過ごしやすいんだ。
ぼくたちは湿度にとても弱いから注意してね。
元々がアフリカの暖かい乾燥地帯の鳥なので、上記のような気候を好みます。梅雨時等は湿度が高い日が続きますので、体調の変化に気をつけて下さい。
また、寒さが苦手ですが、暑すぎても熱中症になってしまいます。夏には人間の外出時にも、クーラーを寒すぎない程度につけっぱなしにしておく等の工夫が必要です。
その際はクーラーの風が直接愛鳥に当たらないよう注意しましょう。
気温差には1番弱いので、窓際や玄関の近く等温度変化が激しい所にケージは置かないようにして下さい。
飼育方法は人によって様々です。成鳥になってからも保温電球や保温カバー等で春夏秋冬一定の気温を保つお宅もあれば、保温アイテムは一切使わずの体育会系な育て方もあります。雛のうちや老鳥の場合はしっかりケアすべきですが、成鳥の時に過保護になりすぎると体が弱くなってしまったり、季節感を感じない為に年中発情状態になってしまう場合もあるので、よく愛鳥の様子を観察し、迷ったらかかりつけのお医者様に相談してみましょう。
定期的な日光浴が必要です
ぼくたちの日光浴は病気の予防にもつながるんだよ。
ラブバードは日光浴する事によってビタミンD3を体内で生成します。
ビタミンDが不足してしまうとカルシウムの吸収が阻害され「カルシウム欠乏症」、「クル病」をはじめ様々な病気になってしまう可能性があります。
出来れば毎日、最低でも週1~2回は30分~1時間程度の日光浴をさせてあげるようにして下さい。
日光浴をさせる際は、必ずケージの傍についていて下さい。
外にはカラス・猫等危険がいっぱいです。愛鳥をしっかり守りましょう。
日光浴の注意事項
- 人間がゲージの傍を離れない事
- タオル等でケージ内に日陰になる部分を作る事
太陽光に当ててあげる事がなかなか難しい方は太陽光の代わりになる紫外線ライトの活用をおすすめします。
小鳥用紫外線ライト スパイラルUVB | ||||
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紫外線ライトは爬虫類用だとライトの威力が強すぎ、鳥には有害です。
白内障になってしまう・白内障が悪化してしまう可能性があるので、必ず鳥用の物を選んで下さい。
また、スパイラルライトの場合でも日光と同じく日陰は必ず作り、光は真上から当てましょう。
紫外線ライトを使うことで白内障になる、白内障が悪化する事故について調べている。横浜小鳥の病院の取材もした。
— 細川@鳥を識る (@aru1997maki) March 10, 2020
はっきりしているのは爬虫類用の紫外線ライトを鳥に使うのは危険だということがまったく周知されていないこと。
爬虫類用は鳥用にくらべて安い。たくさん売っている。
簡単に買える。
毎日放鳥をしましょう
放鳥とは、その名の通りケージから愛鳥を出してあげる事です。
愛鳥にとって、室内で自由に飛んで運動したり、人と触れ合ったりする大切な時間です。
出来るだけ1日2回、朝は30分~1時間、夕方~夜には1時間から2時間は出してあげるのが理想です。
放鳥中の事故が多いです。
愛鳥は家中行ける所ならどこへでも行く可能性があります。
家事をしながらの”ながら放鳥”は絶対にやめましょう。
また、同居人がいる場合は、うっかり窓を開けられたりしないようしっかり「放鳥する」と伝えてから放鳥しましょう。
歩く・座る・扉を閉める等の動作を行う場合も愛鳥を踏んづけたり巻き込んだりしないよう細心の注意を払って下さい。
インコはとても弱いです。少しの衝撃で命を落としてしまう可能性があります。
忙しくても、毎日少しでもいいからお話できたらうれしいな。
放鳥時間は上記のように長い時間が取れれば理想ですが、お仕事の為なかなか難しい…という方も少なくないでしょう。
どうしても難しい日は、時間は短くしてもいいので、たくさんお喋りしたり遊んだりして濃厚な時間を過ごしましょう。
愛鳥は私たちの心が分かるので、愛情が伝われば安心します。
「放鳥は人と触れ合う時間だ」と教えると、人懐っこいインコに育ちます。
逆に放っておくと、人がいても1羽で家具等をかじって遊んだり、高い所に止まったままおりてこない等の行動を取るようになります。
放鳥の注意事項
- 時間がなくても、愛情を持って接しましょう
- “ながら放鳥”は事故に繋がるのでやめましょう